ここでは、みなさんから寄せられた質問等にお答えします。
教えて欲しいことがあったら右の「お問い合わせ」フォームからメールをください。一緒に考えてみましょう。
そもそも、このHPもそうですが、ネットに載っている記事はすべて正しいとは限りません。
私はあなたの教科担任ではありませんから、何だっって答えてあげます。
しかし私の答えが正しいかどうか、また、ここから得られた知識をどう使うかは、すべて自己責任でお願いします。
(教科担任の先生と考えが違うこともあると思います。その時は教科担任の先生のお考えを正しいものとして定期テストに臨みましょう。間違っても「ネットにこう載っていた」と言って採点にクレームをつけてはいけませんよ。)
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ただし,ぐうちゃんのものの見方・考え方等については主題と関わるため,下のQ&Aを参照すること。
この物語は,悠太のぐうちゃんに対する評価・心情の変化を主軸としています。そのため、物語の進行に従って悠太のぐうちゃんに対する心情の変化をおっていく必要があります。
この物語は,時間の推移にともなっていくつかのパーツに分けることができます。そしてそれぞれのパーツでは、主人公悠太の心情が変化しています。
この展開に従って記述していくだけの単純作業です。
先生によっては一覧表にまとめるという作業をさせる方もいらっしゃるようです。
以下にパーツを書きます。
下は悠太のぐうちゃんに対する初期値です。これを基準としてどのように変化していくか逐ってくとよいでしょう。初期値は以下の通りです。がんばってください。
ヒントは、ぐうちゃんが旅立つ前の「こんな意味があったのか。」というセリフにあります。
ここでの「こんな」は「旅費がたまったから、これからまた外国をふらふらしてくるよ。」を指します。「でもまあもう少ししたら、旅費がたまります」という意味です。
しかしこれだけではありません。
悠太が「こんな意味があったのか」と驚いたのは、最初の方で「『いそうろう』から卒業しなさい」と母に怒られた時のぐうちゃんの「でもまあもう少し」を思い出したからです。ですからぐうちゃんが「いそうろうを卒業する」=「悠太の家を出て行く」ということを始めて理解した(おバカの)悠太くんです。
ぐうちゃんの考えている外国旅行は1週間とか1ヶ月といった短期のものではありません。何年もかけてする旅なのでしょう。
なぜなら、何年も資金稼ぎをする必要があったことからわかります。短期の旅行だったら夏休みの測量バイトくらいで十分ですし、しょっちゅう旅行しているはずです。…これじゃぁお姉さんが心配しても当たり前ですね。
「定職につかず,アルバイトをして資金を稼いでは,それでずっと世界を放浪する生活」を送る弟。悠太の母親は、そんな弟をとても心配し、息子には弟のようになって欲しくない、という切実な願いが酒の勢いでポロッと出たのでしょう。
一方真面目に生きてきた父親としては、同世代の自分もそういう生活に憧れる面があったのでしょうか、比較的好意的でした。
いずれにせよ,少し解けてきたぐうちゃんに対する気持ちを「自分に対する裏切り」ととらえてしまった、自己中心的な悠太くんでした。
とあります。
「不思議アタマ」になるための条件は
つまりたくさんの知識を身につけることですね。
そしてその知識に対して「不思議」…つまり興味や疑問をもってから「世界に出かけていくとおもしろい」というのです。
従って「不思議アタマ」とは、
と考えられます。テストによく出されますから注意しましょう。
特に多い間違いは,「疑問をもって知識を身につける」とか「疑問をもつとおもしろい」とか、似ているようで全く違う間違いです。これらは全部×です。
悠太くんは勉強嫌いで,宿題から逃げるためにぐうちゃんの部屋に行ったチキン野郎です。そしてアナコンダの話などでは、「そんなに大きなヘビがいるはずない」という自分の狭い知識に頼り、そこから「あるのかしら?」という興味や疑問をもつことができず、入浴を口実に逃げ出しました。
その一方で、友だちの無責任な感想を真に受けてしまい、ぐうちゃんが嫌いになります。
こういった悠太くんへのぐうちゃんのアドバイスが
という「不思議アタマ」なのです。
この文章では「ありえない」を二つの意味で使っています。
悠太くんは、辞書そのままの
つまり非現実・非実在の意味で使っています。
いっぽうぐうちゃんはアナコンダの話を「ありえなくはない」、つまり、現実であり実在する、といい、「それこそありえないほどだ」と、非現実・非実在と思っていても「それこそ信じられないほど」
と言っています。
悠太くんは,実在しないことを「ありえない」といい、ぐうちゃんは,実在しないと思っても本当は実在する事例が「ありえない」くらいたくさんある、と言っているのです。
ぐうちゃんからの手紙、特に「不思議アタマ」と『アイスプラネット』という題名と関連します。自分で工夫してまとめてみましょう。
うまくできない人は、上の「不思議アタマ」の解説をもとに,指定された字数でまとめればそれで十分ですよ。
ぐうちゃんからの手紙を読んだときの悠太くんの気持ちを書くという課題ですね。
これは「読者として、この作品を十分理解しており、更に主人公の気持ちになって考えることができるか」を見るための課題です。
ですから、自分がそれができている、というアピールを先生にするために書きましょう。
まず押さえておきたいのは,文学的文章としては大反則の「写真によるネタばらし」です。
みなさんは、悠太くんに送られた2枚の写真を見て「ああ、ぐうちゃんの話は本当の話だったんだな」とわかる仕掛けになっています。(賢明なみなさんは、こんな写真なんか見なくても、ぐうちゃんの話は正しいと思いますよね。だいたい作者は今どきの中学生をなめています。)
作者が読者をなめているからと言って、課題はきちんとこなさないといけません。
まず
という自分の気持ちをぐうちゃんに伝える手紙を書きましょう。
そして、ぐうちゃんが家を出て行くときの「何も言わずに僕の手を握りしめ、力の籠もった強い握手」を思い出して
と、作者の期待通りの答えを書いてあげましょう。
ついでに「いつもより少し長い仕事」は僕のためだったのか、という自己中全開の付け足しもアリです。(論証不可能な内容ですが,「ぐうちゃんへの手紙」だったら何を書いてもアリです。先生にアピールすることが第一義です。)
そして
風にまとめると良いと思います。
NGは「なぜアナコンダの写真はないのか」です。
教科書で使われている写真は作者が実際撮影したものですが、おそらく作者はアナコンダの写真を持っていなかったのではないかと思います。なぜならぐうちゃんの話すアナコンダの話は,実は学問的には立証されていないことだから,世の中にぐうちゃんの話すようなアナコンダの写真はないからです。(動物園レベルの大きさならありますが,馬を食べるアナコンダの写真は、映画の中くらいしかないのです。)
あと「いくら学生運動の団塊の世代だからって、いつまでもヒッピーやってるんじゃねぇ。世の中見てみろよ。島耕作(ぐうちゃんと同世代)なんて、この当時は大企業の課長。令和の時代には会長になってるぜ」とぐうちゃんに説教してはいけません。(あなたは悠太君になってはいけないのです。大人になりましょう。)
ぐうちゃんへの手紙の応用問題です。ぐうちゃんが提起した「不思議アタマ」とその結果知ることができる世界を,あなたはどう感じるかを書くだけです。書く内容はそれこそ自由です。
そのまさん
回答が遅れてすみませんでした。
アイスプラネットで用いられている表現技法はさまざまあります。擬態語や省略法、倒置法などです。しかしこれらは小説の中で一般的に用いられているものですから、特に工夫されているというわけではありません。
テスト等でこのような問題が出題された場合は、示されたテキストの範囲の中から、最も頻度の高いものを選ぶと良いでしょう。おそらく会話文が効果的に用いられている、というあたりになると思います。
最も工夫されているものといえば、伏線でしょう。
ぐうちゃんの「もう少し」という言葉や、二人の会話の中の「ありえない」という言葉が序盤に用いられていますが、これらは最後の方の場面で、意味を明らかにしたりずらしたりして、効果的に用いられています。
表現かどうかはなんとも言えませんが、アイスプラネットは一人称小説であることが指摘できます。
悠太君の気持ちの変化が中心となって語られていますから、読者にもぐうちゃんの思惑がわかりません。ぐうちゃんの思惑は最後の場面で種明かし的に語られるようになっています。(この種明かしも、実際の写真を提示することによって示しているため、文章表現という視点からするとルール違反という説もありますが……。しかもたぶん大人の事情で、アナコンダの写真がない!)