品詞を見分け方 初級


 1年生の最後に文法で十品詞について学習したと思います。2年生では名詞や動詞など、品詞の学習を行います。十品詞を見分けることは、2年生の学習の基礎になる、とても大切な内容です。そうでなくても「品詞名を答えなさい」という問題は、高校入試に必ず出題されると言っても過言ではありません。

 品詞名を答える問題に対しては、次のように解いていきます。

1 まず、文全体を、文節に分けます。

 文節の分け方は、「ネ」「ヨ」「サ」で分けることを、1年生の最初に習います。そして、1年生の終わりに、「自立語」と「付属語」を習います。

 「自立語」とは、それだけで意味がしっかりとわかる言葉です。単独で文節をつくることができる単語である。 しかし「自立語」の特徴は、それだけではありません。かならず文節の最初にきて、一つの文節に一つだけある、という性質を持っています。 この性質を利用して、自立語の最初で文節を切っていきましょう。

 例えば、「みんな今日も明るくがんばっているよ。」という文の場合、「みんな/今日も/明るく/がんばって/いるよ。」と文節に分けることができます。

2 次に、文節を単語に分けます。

 1文節は、自立語一つか、自立語+付属語(付属語は一つとは限らない)で成り立っています。文節の最初から意味がわかるところまでが自立語です。例えば「みんな/今日も/明るく/がんばって/いるよ。」を単語に分けてみましょう。

 「みんな」は、一単語で一文節です。「今日も」は「今日」と「も」です。「も」のように、それだけでは意味がわからない単語を付属語と言います。

 「明るく」も一単語で一文節です。しかし「明るく」という言葉は、辞書には載っていません。「明るかろ+う」「明るかっ+た」「明る+なる」「明る。」「明るけれ+ば」のように、単語の最後の部分が、次に続く言葉によってコロコロ変わります。このように、次に続く言葉によって語尾がコロコロ変わることを活用すると言い、このような言葉を用言と言います。そして、活用する部分を活用語尾と言います。活用する単語は用言と活用語尾までが一単語です。

 「がんばって」は、辞書に何と載っているでしょうか。「がんばる」ですね。「がんば+ない」「がんば+ます」「がんば+。」「がんば+とき」「がんば+ば」「がんば+!」と活用します。小さい「っ」が付いたときは、そこまでが一単語です。ですから「がんばっ/て」と二単語に分かれます。

 「いるよ」は「いる/よ」です。「いる」だけで辞書に載っています。 

3 自立語か付属語か見分ける

 2がきちんとできたら、文節の最初にあるのが自立語、それ以外はすべて付属語です。付属語は助詞と助動詞しかありません。今回はとりあえず、自立語の品詞を見分けます。

4 用言か見分ける

 用言は、活用する品詞です。そして述語になることができます。

 用言には動詞形容詞形容動詞の三種類あります。これらを見分けるには、まず、辞書に載っている形(終止形と言います。)に直しましょう。その言葉の最後は、どんな発音になっていますか?

  • 「動くウ~」「走るウ~」と、ウ音になっていたら動詞です。
  • 「美しい」「激しい」と、「い」になっていたら形容詞です。
  • 「静かだ」「親切だ」と、「だ」になっていたら形容動詞です。

 ただし、「動き」とか「美しさ」とか、紛らわしい言葉もあります。これらは述語にはなれませんから、用言ではありません。注意しましょう。

5 体言か見分ける

 4で用言を見分けました。次に体言かどうかを見分けます。体言とは主語になることができる品詞で、名詞と呼びます。

6 連体詞・副詞か見分ける

 今残っているのは、述語になることができる品詞(用言)と主語になることができる品詞(体言)以外の品詞です。その単語は修飾語になることができる品詞か見分けます。これを見分けると、残りは接続語と独立語しかありませんから、主語にも述語にも接続語にも独立語にもなれない品詞は、すべてこれにあてはまります。

 修飾語になる品詞は、連体詞副詞です。

 先に、連体詞かどうか見分けます。連体詞は体言しか修飾できない品詞です。「あの机」とか「大きな古時計」などがそうです。連体詞には紛らわしい単語がいくつかあります。例えば「大きな(古時計)」は連体詞ですが、「大きな(古時計)」は形容詞です。「~な」となる形容詞はないからです。

 残ったものが副詞です。副詞は体言以外を修飾します。「雨がシトシト降る」の「シトシト」のような擬態語・擬音語もすべて副詞です。「ずっと昔」の「ずっと」のように、名詞を修飾することもありますが、「ずっと歩く」というように名詞以外も修飾できたら副詞となります。 

7 接続詞と感動詞を見分ける

 6までで感動詞と接続詞以外を見分けることができました。残り二つを見分ければ自立語の品詞はクリアします。感動詞は「もしもし」「はい」「おはよう」などです。接続詞は「だから」「しかし」「および」などのつなぎ言葉です。これらはすぐに区別がつきますね。

8 助詞と助動詞を見分ける

 あとは付属語を見分けるだけです。活用しないのが助詞、活用するのが助動詞ですが、簡単に「から」「ので」をつけてみましょう。「から」「ので」をつけてみて、意味が通らなければ助詞、意味が通れば助動詞と覚えておきましょう。