ダイコンは大きな根?


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説明的文章の読み方

 この種類の文章を,説明的文章と言います。

 『ダイコンは大きな根?』で,説明的文章の読み方を身につけ,説明的文章の問題を解く力の基礎を身につけましょう。

筆者の言いたいことは何?

 『花曇りの向こう』のような文学的文章と違い,書いた人を「筆者」と言います。(文学的文章は,そこに書かれた世界を作った人なので「作者」と言います。)

 『シンシュン』のような文学的文章では,作者の言いたいこと(主題)ははっきりとは書かれていません。しかし,説明的文章では,筆者の言いたいこと(要旨)はハッキリと文章の中に書かれています。書かれていなければ何の「説明」なのか読む人にはわかりません。わからなければ「説明」の意味はなくなってしまいます。

 説明的文章で筆者の言いたいことは,最初の方か最後の方に必ず書いてあります。最初の方に書いてあるのを頭括型(とうかつがた),最後の方に書いてあるのを尾括型(びかつがた)と言います。最初と最後の両方に書いてあることもあります。これを双括型(そうかつがた)と言います。

 この『ダイコンは大きな根?』で,筆者はどこに要旨を書いたのでしょう。最後の段落に書いてありそうですね。

 

論の組み立てを理解しよう(段落のまとまり)

 筆者は,自分の考えた要旨が「正しい」ことを読者に理解してもらうために,いろいろ説明します。だから「説明的文章」と言うのです。

 ただ,ダラダラと説明したのでは,読者は嫌になってしまいます。また,「なぜそう言えるの?理由がわからないよ」と思われたら,書いてある内容を「正しい」とは思わないでしょう。説明的文章とは,読者が自分に賛成してくれるように説得する文章なのです。

 そのために筆者は,筋道をたてて自分の考えを説明していきます。これが文章の段落です。段落は,行の最初が1文字空いているところが目印です。

 そして,説明的文章の論の組み立てを知るには,段落の最初の文だけ読んでいけば,ほぼ論の組み立てがわかります。これは,読者に分かりやすい文章にするための,筆者の配慮です。(ですから,この配慮がない説明的文章は「悪い文章」であり,教科書や高校の入試問題には出てきません。安心してください。)

 『ダイコンは大きな根?』の段落の最初だけ見てみましょう。

  1. 私たちは,毎日いろいろな種類の野菜を食べています。
  2. それでは,私たちが普段食べているダイコンの白い部分はどの器官なのでしょうか
  3. その疑問に答えるために,ダイコンの芽であるカイワレダイコンを見ながら考えてみます。
  4. これに対して,私たちが食べるダイコンをよく見てみると,…
  5. この二つの器官は,実は味もちがっています。
  6. 胚軸の部分は水分が多く,甘味があるのが特徴です。
  7. いっぽう,根の部分は辛いのが特徴です。
  8. 根には,派手作られた栄養分が豊富に運ばれてきます。
  9. これらの特徴を活用して調理すると,大根のさまざまな味をひきだすことができます。
  10. このように,ダイコンの白い部分は異なる器官から成っていて,器官の働きによって味もちがうのです。

 段落1は,導入です。読者に話題をふるための段落です。この段落は,普段食べている野菜は,植物としてどの部分なのか,に興味が向くように仕組んでいます。

 段落2冒頭「私たちが普段食べている白い部分はどの器官なのでしょうか。」というのは,疑問でしょうか。筆者に答えがわからないはずはありません。これは読者に向けた「問題提示文」です。「問題提示文」には必ずその答えにあたる「結論文」があります。これはどの段落に書いてあるでしょう。

 段落3では「この疑問に答えるために」と,段落2の問題提示文に答えようとしています。しかし「カイワレダイコンを見ながら考えてみます」と,ダイコンの答えは出していません。

 段落4の「これに対して」の「これ」はカイワレダイコンです。「ダイコンをよく見てみると」とあるので,この段落に答えがありそうです。段落最後の文を見てみましょう。「つまり」と,この段落全体をまとめて「ダイコンの白い部分は,根と胚軸の二つの器官から成っているのです。」と問題提示文に対する答えが書いてあります。

 段落5「この二つの器官は…」の次も問題提示文です。「なぜ,ちがっているのでしょう。」の答えはどこでしょう。

 段落6「胚軸の部分は…」段落7「いっぽう,根の部分は…」と,胚軸と根と,それぞれ結論を出していることがわかります。

 胚軸の部分は同じ段落の「~役割をしているから」が答えです。しかし根の部分は,第6段落では「根の部分は辛い」ことしか書いてありません。

 段落8「根には…」とありますから,第6段落の続きが第7段落であることがわかります。第7段落をまとめると「根の部分が辛いのは,虫の害から身を守るために辛味成分を蓄え,虫にかじられると辛味を発揮する仕組みになっているから」となります。

 段落9「これらの特徴…」とは,「胚軸の部分は甘く,根の部分は辛いという味の特徴」です。この特徴を活用しての調理法を書いてあるのがこの段落だとわかります。つまり段落5~8の補足です。

 最後の段落10の冒頭文は「ダイコンの白い部分は異なる器官から成っていて」「器官の働きによって味もちがう」という二つの部分から成っています。「ダイコンの白い…」は段落2~4で,「器官の働きによって…」は段落5~9をまとめていることがわかります。

 以上のことから,段落10が結論であることがわかります。そして,「普段何気なく食べているダイコンも…」以降の文は,筆者のまとめとか読者への呼びかけにあたる部分です。なぜなら「~どうでしょうか。」「~かもしれません。」と,読者に呼びかける文末になっているからです。

記述式問題はここがねらわれる!

 テスト問題は,記号などで答える「選択肢問題」,短い言葉を抜き出して答える「短答・抜き出し問題」,文章の内容を20字以上でまとめて答える「記述問題」に分かれます。1問あたりの配点が高いのは,この記述問題です。

 『ダイコンは大きな根?』でねらわれやすいのは,段落8と段落9です。

 段落8では「植物の知恵ともいえる理由」をまとめさせる問題が,段落9では「辛い(辛味の少ない)大根おろしを作るにはどうしたらよいか」を書かせる問題が出されることが多いようです。

 段落8については,上の部分にも要旨が書いてあります。それを参考に,しっかりと練習しておくとよいでしょう。


 「ダイコンは大きな根?」のQ&Aです。

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