「花鳥風月」「雪月花」……自然の美しい風物や、その趣を愉しむこと。花を愛で鳥のさえずりに耳を傾け、風や月などの自然の風景に親しむこと。世阿弥の「風姿花伝」が由来だとされています。宝塚歌劇団のチームの名前の由来にもなっています。(人数が多くなり星組も加わりました。)
「惑星」……太陽など恒星の周りを回り、球状をなすほど十分に重く、その軌道の近くに、衛星でない他の天体が無い天体。地球や火星などがそうです。中世ヨーロッパで天体観測をした時、ほとんどの星が北極星を中心に回るのに対し、位置をコロコロ変える星がありました。記録をつけようにも位置が動いてしまうので、天文学者を惑わす星という意味で、惑星と名付けられました。定義もコロコロ変わり、最近では冥王星は惑星ではなくなりました。
「衛星」……惑星のまわりをまわる天体。月などがそうです。
本文で押さえておきたいポイントは、以下の通りです。これらは要旨をまとめる上でも大切な内容となります。
「月は特異な天体なのだ。」と「不思議な衛星・月」の最初の段落にあります。そして最後の段落には「岩石の塊である巨大な衛星、月。」とあります。月の特異な点は「岩石の塊である巨大な衛星」であることです。
この説明は、「まず」と「また」によって、二つに分けられています。その結論部は、それぞれの段落の最初の文に書いてあります。
1の質量比については、その段落の最後の部分でもう一度まとめていますね。
● 分裂説=親子説
形成されたばかりの地球が高速で回転することで、地球の一部がちぎれ、月になった
×(月の)形成時の地球の自転は、これほど(=地球の一部がちぎれるほど)高速にはならない
● 共成長説=兄弟説
地球と月が初めから惑星と衛星として形成された
×そばにある地球と月は同じような材料物質で形成される。したがって、同じような組成となるはずだ。(しかし、地球と比べ)月に鉄が少ないことが説明できない。
● 捕獲説=他人説
別の場所で形成された月が、地球の近くを通ったとき、重力の作用で捕獲された
×天体が主にどんな物質で形成されるかは、周辺にある材料物質と、温度や圧力などの条件で
決まる。地球から遠く離れた場所では、(太陽系の中では)そもそも岩石の天体にはならない。地球に比較的近い場所で、同じような材料物質から形成されるとすれば、組成は同じになるはずだ。さらに、捕獲説には、月が大きすぎて、地球の重力で捕獲するのが難しいという問題もある。
この部分も「まず」と「次に」の二つによって説明されています。
1の実験では、「火星ぐらいの原始惑星が、地球に対して四十五℃くらいの角度で衝突した場合、月を形成するのに十分な材料物質がまき散らされることが確かめられた。また、やはり原始惑星の核のほとんどは地球に合体してしまい、主に原始惑星の岩石成分だけが残って、月の材料になることもわかった。」
2の実験では、「巨大衝突でまき散らされた岩石の粒子からは、確かにつき質量程度の衛星が一つ、形成されることがわかった。」おまけで「月に形成にかかる時間は、一ヶ月から一年」(ここで、「一月と一月」とシャレていますね。笑。)
現在の研究では、巨大衝突説はもう古い仮説だと言われています。筆者は巨大衝突により「主に原始惑星の岩石成分だけが残って、月の材料になる」と言っています。計算すると、月の成分の5分の1は地球派生で、残る5分の4は衝突した天体の物質ということになるそうです。ところが、地球と月の構成成分はほぼ同一であり、巨大衝突説とは矛盾することになります。
そこで現在では、1回の大規模衝突ではなく小さな衝突が繰り返されたと考えられているそうです。微惑星が衝突するごとに、原始地球の周囲に残骸の我が形成され、こうした小衛星の数々が最終的に月を形成したということです。
巨大衝突説は「新たな研究の成果を受け、これから改訂されるかもしれないし、あるいは否定されることもあるかもしれない。」と筆者が言っている通りになりましたね。